世界一やさしい簿記入門
編集子は、簿記の専門家ではありません。
しかし、よき経営管理を目指すうえで簿記の知識は不可欠である、と信じる者です。
編集子は、昔々、学生時代、簿記を習ったときに、「なんてめんどくさい科目だろう」、と思いました。
覚えなければならない勘定科目の多さ。勘定科目によって異なる科目名の記入場所(借方か貸方か)。仕訳帳から損益計算書と貸借対照表を作るときのややこしさ...。
「あー、なんてめんどくさい!」
そう正直に思いました。そして、なぜか単位は取れたのですが、ぜんぜん理解しないまま社会に出たのです。
ところが、何年か勤めるうちに、ひょんなことで、経理業務の方と一緒に仕事をすることになりました。
あわてました。これは困った。いそいで簿記の勉強をしなければ。
そこで初めて、いちから真剣に簿記を勉強したのです。自分のポケットマネーを使い、休日に経理学校の速習講座に通ったのです。
<必要は学びの父>とでもいうのでしょうか。このときは、すうっと簿記が理解できたのです。
なぜ理解できたのか、といいますと、勘定科目の名前は、ビジネスの世界で実際に使っている用語ばかりだったからです。売上、売掛金、仕入、買掛金、棚卸在庫、手形、小切手、損益...ぜんぶそうでした。
一つの仕訳は、ひとつの業務取引に対応していて、それを金額で表現しているに過ぎない。
仕訳帳は、ぜんぶの業務取引を、まじめに、そのつど記録したノートに過ぎない。
そのようにはっきりと見えたのです。
それから、簿記が好きになりました。簿記を勉強すればするほど、自分の仕事の世界がよく見えるようになり、さらには、まだ経験していない取引の世界までイメージできるようになったのですから。
「なんて簿記は面白いのだろう」
この感覚は、たぶん、物理の法則が少し分かったときの科学少年の喜びに似ています。
この喜びを、学生さんにも伝えたい。そう思って先日は、自分の担当科目の授業のなかで、「世界一やさしい簿記入門」のレクチャーに挑戦してみました。簿記が分からないと、経営学の本当の面白さは分からないし、自分の担当科目でも簿記を応用した業務システムの話は出てきますからね。
それから数日たったある日、キャンパスのエレベータに一緒に乗った学生から、
「先生、簿記がよく分かりました」
と、いわれました。とてもうれしく思いました。だって、簿記が苦手な学生を、少なくとも1人は減らすことができたんですからね。
これからも、学生のために、色々と挑戦してみようと思います。
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