カテゴリー「映画・テレビ」の記事

レッドクリフ Part I を観ました

11月1日に封切られた話題作「レッドクリフ Part I 」を観ました。このタイトルは、中国の古典『三国志演義』の見せ場のひとつ「赤壁の戦い」の英訳ですが、せりふはすべて中国語です。

編集子は、若い頃に、吉川英治の小説や横山光輝の漫画で三国志に親しんでいたので、映画で登場人物がどのように描かれるかが楽しみでした。劉備、孔明、曹操、孫権、周瑜、そして関羽、張飛、超雲と有名どころが登場しましたが、これまで思い描いたとおりの人もいれば、そうでない人もいました。金城武の孔明役はなかなかよかったですね。また合戦シーンでは、名前だけは覚えていた陣形がビジュアルに描かれていて、「あー、こういう形だったのか!」と納得しました。

ところで、映画のせりふは、日本語の字幕の助けなしには分からなかったのですが、それでも何度か、はっきりと聞き取れた音がありました。登場人物の名前は特にそうです。中国語の漢字の読み方には、これまで独学で多少親しんでいたので、知っている人物の名前が発音されるとすぐに分かりました。もうひとつは、以下のシーンのせりふです。

強大な魏の曹操(ツァオツァオ)から、呉の孫権(スンチァン)に、「お前の土地で狩りをしたい」、と非常に失礼な手紙(実は降伏勧告文)が届き、孫権はその手紙に夜を明かしてしまう。朝、孫権の異母妹のヴィッキー・チャオ扮する尚香(シャンシァン)は、それを見て怒り、そこに来たトニー・レオン扮する周瑜(ヂョウユウ)将軍に手紙を見せる、というシーンです。彼女のせりふはこうでした。

你看了吗 ニー・カンラ・マ
(お前、〔この手紙を〕見たかい?)

この音がはっきりと聞き取れたとき、少しだけど中国語を勉強してよかったな、と思いました。ほんの僅かでも字幕に頼らず映画が楽しめたことは幸いでした。

今発売している雑誌AERAには、両主役を演じた金城武とトニー・レオンのインタビューが載っています。その中で金城武が面白いことを言っていました。台湾生まれの彼はネイティブな中国語を話しますが、実はレッドクリフの彼のせりふには、ときどき現代中国語の中に古い中国語が混ぜ込んであって、中国人の観客はこのせりふのところに来ると、ついゲラゲラ笑ってしまうとか。映画監督のジョン・ウーのユーモアだそうですが、それが分かったら、もっと映画が楽しめるのにと思いました。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ある世代にのみ分かる映像シーン

映画を見ていると、ある世代だけが分かると思われるようなシーンがさりげなく仕込まれていることがあります。

たとえば、トム・ハンクスとメグ・ライアン主演の"You've Got Mail" は、アメリカの大手プロバイダAOLがスポンサーだったことでも知られますが、その中に、トム・ハンクス演じる主役が、 "Monday, Tuesday, Wednesday...." とイタリア語なまり風にふざけて独り言をいうシーンがあります。
このシーンを見てゲラゲラ笑った観客は、きっとゴッドファーザPartI を繰り返し見たことのある世代でしょう。編集子もトム・ハンクス(1956年生まれ)も、その世代に属しています。

昨日は、ケーブルTVで、1996年の米国作品"Mars attacks!"を見ました。これは火星人が地球に襲い掛かってくるストーリーを見事なまでにコミカルに描いた作品です。米国大統領役のジャック・ニコルソン、科学者役のピアース・ブロスナン、テレビリポーター役のマイケル・J・フォックスなど、豪華キャストが惜しげもなく火星人にやられてしまう展開に驚きました。

なにがどうコミカルなのかは、映画を(レンタルビデオなどで)みていただくほかないのですが、今回この映画に、編集子の世代だけが反応すると思われるシーンを見ました。

この映画は、おそらくは1960年前後を想定した作りになっていると思われますが、「火星人の言葉を訳す自動翻訳機」が登場します。なんとこれはオープン・リールのテープレコーダを使っていて、火星人がしゃべる声を録音すると、いったんテープを巻き戻し、科学者がカチッとスイッチを入れると、英語に翻訳された声が流れるというシロモノです。なんとも懐かしい。カセットテープが市場に登場したのは1960年代の終わり頃で、それまでは、録音機材といえばオープン・リールでしたから。そして当時のSF映画に登場するコンピュータは、例外なく、オープン・リールをくるくる回していました。

地球人が火星人に送ったメッセージを円盤内の火星人が受け取るシーンがあります。ここでは火星人は、受信テープを両手でもちながら打ち出されたメッセージに目を通していました。これまた懐かしい。当時コンピュータの代表的入出力手段は紙テープに穴を開けたものでしたから。このころコンピュータにあこがれた科学少年は、運動会などで使う紙テープに千枚通しで穴を開けて遊んでいました。だから火星人が打ち出しテープに目を通すシーンには思わず反応してしまったのです。

このようなシーンをたくみに仕込んだ監督ティム・バートンはどのような人でしょうか。ウィキペディアには、1958年生まれ、とありますから、まさしくこうした仕込みを好む世代に属します。彼よりも10年近く前に生まれたルーカスやスピルバークにはない<世代感性>なのかもしれません。


| | コメント (0) | トラックバック (0)